健康日本21
21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)は、すべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするための取り組みです。からだの健康と同様に、こころの健康も重要とされています。
健康日本21(第二次)とは、2000(平成12)年度~2012(平成24)年度に実施された「健康日本21(二十一世紀における国民健康づくり運動)」に続き、2013(平成25)年から行われている国民健康づくり運動のことです。
「健康日本21」(第二次)」とは
健康日本21は、21世紀において日本に住む一人ひとりの健康と、実り豊かで満足できる人生を実現するための国民健康づくり運動です。国民のさまざまな健康課題に関わる具体的な目標値を定め、十分な情報提供を行い、生活習慣の改善などに計画的に取り組むことで、国民の健康寿命を延ばすことを目指しています。
健康日本21は2000年より開始され、2003年の健康増進法施行に伴い、「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成15年厚生労働省告示第195号)」により、国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向や、国民の健康の増進の目標に関する事項等が定められました。その後、2013年からは、健康日本21の取り組み結果を踏まえた「健康日本21(第二次)」が始まり、現在に至っています。
健康日本21(第二次)の基本的方向
健康日本21(第二次)では、次の5つを基本的方向とし、全53項目の目標値が定められています。
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健康寿命の延伸と健康格差の縮小
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生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCDの予防)
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社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
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健康を支え、守るための社会環境の整備
- 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善
2023年現在、健康日本21(第二次)の取り組み結果を踏まえて、2024年度から実施予定の次期プランが検討されています。
こころの健康について
いきいきと自分らしく生きるうえで、こころの健康が重要であることは言うまでもありません。こころの健康には、個人要因だけでなく、身体状況、社会経済状況、住居や職場の環境、対人関係など、多くの要因が影響します。
こころの健康を保つ要素にはさまざまなものがあり、適度な運動や、バランスのとれた栄養・食生活は、身体だけでなくこころの健康においても重要です。また、十分な睡眠を含む適切な休養をとり、ストレスと上手につきあうこともこころの健康に欠かせない要素です。
こころの健康に関する基本方針は、以下のように定められています。
(1)日常生活や習慣の重視(全人的なアプローチ)
健康が総合的なものであることを考えると、身体的な健康とこころの健康を統合した全人的なアプローチが重要です。
(2)行動科学に基づいたセルフケアの推進
行動科学とその具体的な適用法である行動療法は、運動や食事、喫煙や飲酒など、身体健康に直接影響する生活習慣行動だけではなく、感情のコントロール、不適応的な認知の修正、対人技術や時間管理など多くの問題に有効とされています。これらに基づいてセルフケアを行うことが、ひとりひとりが全人的な健康を実現する助けとなります。
具体的な方法としては、(1)達成可能な目標をたてる、(2)自分の行動や考えを観察、記録する、(3)望ましい行動を強化する、(4)望ましい行動をみちびくように環境を整える、などがあげられます。
(3)こころの病気への早期対応
こころの不調は自覚できないことも多く、適切な対処法がとられないままに不調が悪化していくことも少なくありません。治療が必要であるにもかかわらず、専門的な治療を受けていない人が多いことも課題となっています。早めに不調に気づいてセルフケアを行うこと、周りの人が気づいて相談にのること、必要に応じてメンタルヘルスの専門家にへつなぐ役割を果たすことなどが必要になります。体の症状を訴えて一般診療を受けることも多いので、かかりつけ医と専門医との連携も重要です。
こころの健康に関する目標値は、以下の通りです。
項目 |
策定時のベースライン |
最終評価 |
目標 |
①自殺者の減少(人口10万人当たり) |
23.4 |
15.7 |
13.0以下 |
②気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合の減少 |
10.4% |
10.3% |
9.4% |
③メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合の増加 |
33.6% |
59.2% |
100% |
④小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医師の割合の増加 |
小児科医:94.4 |
小児科医:112.4 |
増加傾向へ |
関連リンク 健康日本21 https://www.kenkounippon21.gr.jp/index.html