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パーソナリティ障害

「パーソナリティ障害」とは?

パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで本人が苦しんだり、周囲が困ったりする場合に診断されます。認知(ものの捉え方や考え方)、感情のコントロール、対人関係といった種々の精神機能の偏りから生じるものです。「性格が悪いこと」を意味するものではありません。
パーソナリティ障害には、他の精神疾患を引き起こす性質があります。それらの精神疾患が前面に出ることが多いことから、パーソナリティ障害は、背後から悪影響を及ぼす黒幕のような障害とも言えます。
治療を進めるためには、患者と治療スタッフとが協力して問題を認識し、対策を検討することが重要です。この障害は経過中に大きく変化することや治療によって改善する可能性が高いことが、最近の研究で示されています。

 

パーソナリティ障害の特徴

パーソナリティ障害のために生きづらさを強く感じ、うつ病、社交不安障害、依存症などの合併や併存がみられます。他の精神障害を合併しているケースでは、実際に医療機関を受診する機会が多くなります。

 

パーソナリティ障害の治療・支援

パーソナリティ障害の治療には、比較的長期にわたって患者と治療者が協力して対応を続けることが、しばしば必要になります。治療として、支持的精神療法、認知行動療法、精神分析的精神療法などの精神療法(カウンセリング)が用いられます。薬物療法としては、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)等の抗うつ薬や少量の抗精神病薬が使用されることもあります。また、合併している他の精神疾患がある場合は、それらへの対応も必要です。